シンフォニック・スター・トレック
サウンドトラックではないので微妙に違和感は感じるものの、カッコイイ録音である。効果音が入っているのはいつものテラークらしくてほほえましいが、ニモイの台詞やザトウの歌まで収録されているのには驚いた。演奏や録音は、サウンドトラックよりもむしろ上ではないだろうか。近所迷惑にならない時間帯に、ガンガン鳴らして聴きたい。Resistance is futile!
大科学実験DVD-Book 空飛ぶクジラ
たまたま土曜の朝にETVをつけていたところ、子供ともどもハマってしまいました。こういう科学に興味を持たせるような教え方をしていけば、科学嫌いという子供たちも好きになってくれるんじゃ無いかな。「なぜ」「どうして」という疑問から学問は発達する。
そして、本当に役に立つ研究へと続いていくわけで。
大人にも見てもらいたいですね。
歌うクジラ 上
SFである。未来の話であり、とんでもない物語である。しかし、現在の人間社会に既に存在するある種の傾向、線分、ある特異な点の集団を延長し、強大化し、増殖させた時に「あり得る」と思わせるリアリティが恐ろしい。
これは「父親」から秘密を運ぶ任務を遂行しようとするタナカアキラの冒険物語、旅物語であり、荒唐無稽とも言える場を踏破していく。途轍もない想像力によって構築される時空は読む者を引きづり込んでいくが、メモリアックの働きと特異な言語活動は思考を錯乱させる。
真の旅が、人に多数多様な光景を見せるのではなく、人を多次元多様体に変えてしまうものならば、それこそまさに「歌うクジラ」である。
いわゆる「アイデンティティ」が崩壊しそうになるのは恐ろしい。しかしそのスリルに魅力を感じる人もいる。
どんなに手に汗握ろうと自分を安住の地に置いておきたい人、すぐに意味が理解できることばで書かれた本を読みたい人はそれはそれでよいだろう。
またエクリチュールの流れに酔い痴れたい人もそれはそれでよいだろう。
しかし「歌うクジラ」は覚醒しているが自己を失い、断絶を越えていくが明晰なままである。それを体験したい人が読めばいいのだ。
クジラ・イルカ生態写真図鑑 (ブルーバックス)
様々な種類のクジラやイルカの図鑑のみならず、
さまざまな生態写真も見せ付けてくれます。
写真はふんだんで見ごたえがあり、
ダイナミックな採餌風景や、生殖器など貴重で珍しい部位も写真で拝めます。
また、死んだ子を離さない姿、公害で死んだ姿などクジラたちの現状を垣間見ることもできます。
版が小さいのが残念ですが、大きくすると値段が上がってしまうため、
この価格に抑えてくれたことに感謝しましょう。
なお、蛇足ながら捕鯨については触れられていません。