Underworld: A Novel
不穏な感情を駆り立てられる装丁のこの大著には世俗、観念すべてが叩き込まれるように描かれる。ドン・デリーロの尽きる事を知らない言葉が力感をもってラストのカオスまで不穏な響きを称えながら進んでゆく。僕はこの小説を読み「純文学の意義ってなんだろう?」という青臭い事を考えてしまった。その意義が<今・ここ>を揺らがせ、貫く事であるのならばこの小説はその力を十二分に持ち合わせている。大げさな所謂社会糾弾派小説でもなく、やみくもに個的な世界を温めるのでもなく、ドン・デリーロは世界そのものを描く。久々に出会った最強の小説の一つ。
追記:残念ながらこの作品スタイルでは売れないだろうし、絶版になるのも致し方ないですな・・・。過去翻訳作品もすべて絶版でユーズドで高値だし。個人的にはノーベル文学賞を受賞して過去作が再販される事を願います。
Tomb Raider Underworld (輸入版)
xbox360版も持っていますが、もしPCスペックに問題がなければPC版の方が断然いいと思いました。とにかくビジュアルがきれいで、作りこまれたトゥームの世界を十分に堪能することができます。このシリーズ共通して言えるのですが、高解像度か否かが直接ゲームの難度、快適度に直結するので、コンシューマでやった方ももう一度PC版でやってみることをお勧めします。かなり手応えが違って感じるのではないでしょうか。PS2版の「美しき逃亡者」が出たときは、この先トゥームはどうなってしまうんだろう、と不安に感じましたが、今作も含め最近の三作品はなかなかよくできていると思います。
A Collection [帯解説付・国内盤仕様] (BRUWR044)
アンダーワールドの作品はほとんど持っていますが、おいしいところばかり集めたこの作品を聴きたいタイミングも多々あると思い満点評価です。こんなプレイリストあったら便利だろうなーって感じの作品です。
3枚組のベスト盤も出るようですが、20年もキャリアを重ねてあれだけ名曲があれば、それだけに収まらないのも納得ですね。
とくにHigh ContrastとTiesto、そしてMark KnightとD Ramirezのコラボ曲は1枚組にしか入っていないようなので、それもおいしいです。
Brian EnoとKarlのコラボ曲がすごく好きなのですが、これまでは彼らが監修したコンピでしか聴けなかったので、アンダーワールドの他の曲と一緒に聴けるのも個人的には嬉しいです。
トレインスポッティングで彼らを知ったたちなので、超コアファンとは言えない自分ですが、アンダーワールドがダニー・ボイルと一緒にオリンピックの開会式を演出するというニュースには驚きました。よく考えたらあそこからダニー・ボイルもオスカー監督になり、ユアン・マクレガーもスター・ウォーズのオビ・ワンになってますし。アルバムを聴きながらオリンピックのニュースを知って、改めて歴史的な映画だったんだなぁと思いました。
アンダーワールド 期間限定スペシャルプライス [DVD]
世界観がすばらしい。バンパイアVS狼男の話だが、最後の方で過去の経緯とかがわかってストーリーがつながります。まぁストーリーははっきり言って微妙なんですが、主人公が強くてかっこいいし、次回作を期待させるエンディングも秀逸だと思います。
僕はバンパイアものが大好きなんでかなり楽しめました。
Tokyo Underworld: The Fast Times and Hard Life of an American Gangster in Japan (Vintage Departures)
戦後日本史に関しては、当事者が健在なケースも多く
研究は後世の歴史家にゆだねられることになる。
私たちは恐らく本当の戦後史が分かる前に
一生を終えるだろう。その空白を埋める手がかりになるのが
本書である。戦後史の知られざる一面を、1人のイタリア人
の生き方を通して、生々しく描いている。
外国人の著者でなければ、書けなかったであろう内容も含まれて
いる。最近のノンフィクションの中では、出色の出来だと思う。
確かに、孫引きも多いがこの作品の価値に影響を与えるほどでは
ないと思う。
最近、文庫版が発売されたようである。多くの読者が
手にされることを願う。