Dave Digs Disney
ディズニーのアニメ映画の主題歌を取り上げて演奏していますので、ジャズに関心の少ない人でも楽しめるアルバムでしょう。
昔からディズニーの主題歌は、多くのジャズ・ミュージシャンが好んで演奏しています。ただ、全曲すべてディズニーというのは、デイブ・ブルーベックが初めてではないでしょうか。そう言う意味では珍しい試みですし、素晴らしい演奏でした。
1曲目は「不思議の国のアリス」のテーマです。ブルーベックのピアノ・ソロが、上品な香りを振りまきながら奏でられます。この時代のジャズとしては「楷書」風の演奏ですね。
2曲目は「口笛吹いて」で、「ピノキオ」の中で挿入された主題歌の一つです。ポール・デスモントのアルトサックスはいつもご機嫌ですね。ドラムスのジョー・モレロもスウィング感があふれる演奏を披露しています。
3曲目は「白雪姫」の主題歌の「ハイ・ホー」です。最初からテンポ良く、スピードにのって軽やかに演奏しています。いいですね、このようなアップテンポの曲は聴いていて気持ちがよいものです。
4曲目の「星に願いを」は有名です。解説もいらないくらいですが、これも「ピノキオ」の挿入歌です。美しいソロをポール・デスモンドが軽やかに奏でています。デスモンドという名アルト・サックス奏者をメンバーに得たことがデイブ・ブルーベックにとってはラッキーだったと思います。
5曲目の「いつかは王子様が」も「白雪姫」の挿入歌です。3拍子のリズムが当時のジャズでは珍しかったようです。後にマイルス・デイビスや、ビル・エヴァンスがよく取り上げました。それよりも早く試みている所に値打ちがあります。
最後は「ワン・ソング」です。あまり知られていませんが、ポール・デスモンドのソロがとてもスゥイング感に満ち溢れており、大変ノレルご機嫌な演奏でした。
デイブ・ブルーベック・クァルテットは、「テイク・ファイヴ」の名演奏で有名になりましたが、それ以外にもいい演奏を沢山残したと思います。これは是非聴いてください。
Time Out
ブルーベックの代表アルバムとなる作品。
変拍子だったり、ジャズには珍しい5拍子の曲が入ってたりと、脳裏に残るフレーズが多いアルバム。
お勧めは、3,1,5,2あたり。
このアルバムの最大の魅力は3のその名の通り5拍子のTake 5。
ブルーベックが正確にタラッタラ、ターラーと正確な5拍子を刻みながら、
この曲の作曲者、Paul Desmondが少しこもっていながらも甘美で温もりのある音で明確に演奏している。
ちょっとコケティッシュな感じもするアルトの音。
この曲のフレーズが非常に脳裏に残る。
1のタイトル、Turkはトルコの意味。トルコ風のブルーロンドという邦題がついている。
タラタラタラタラタタ・・・
とジャズには珍しい拍子で始まる曲で、この曲もまた脳裏に残る。
ピアノとサックスのユニゾンの仕方も素晴らしい。
途中からゆっくりに変調し、最後にまたテンポが速くなってくる。
クセモノながらも要注意な曲です。
'Dはワルツの曲。
テネシー・ワルツというジャズの名曲でスタンダードな曲もあるが、
やはりワルツはジャズ界には珍しい。
あまり気にならないながらもズンタッタとワルツのリズムを刻んでいます。
でも駄曲はなく、全体的に几帳面な感じがしながらもインプレッシヴなアルバムだ。
ジャズの名曲と呼ばれている中でも変化球なアルバム。
普通のスタンダードな曲に飽きてきた方はこんなアルバムはいかがだろうか?