芸能人はなぜ老けない
芸能界における数々のエピソードが登場し、そんな中で著者がどんな心構えで生きてきたかが語られるこの本は、なかなかおもしろく読めるのだが、何よりオレはまず、野口五郎という人のキャラ自体がおもしろいと思ったし、その語り口が、なんとも絶妙。そういえば、いわゆる《新御三家(=ヒデキ・ゴロー・そしてヒロミGO)》の中で、男、というか男のガキからみて、最も親しみやすいキャラをもっていたのが著者=ゴローこと野口五郎、であったように思う。白状するとオレもガキのころ、男の歌手ではゴローのファンだったのだ。レコードで出る曲には、好き嫌いや女子の手前や小遣いの限界もあり、そんなには買わなかったが(スマン…)、レコード屋が開催するフィルム・コンサート『GORO ON STAGE』なんつーもんにも出かけ(ビデオが普及する前の時代なのだ)、当時出た『哀しみの終るときに』なるエッセイ集も買って読み(まさに「青春の一冊」、とでもいうか…)、演歌「博多みれん」でデビューさせられた当時のキャンペーン地獄の悲話(酔った客に酒をぶっかけられる、15才の新人歌手…!)など、過剰に感情移入しながら読んだもんだったが。
それからおよそ20年以上経って上梓されたこの本の方でも、大ヒット曲「私鉄沿線」のジャケットに使用されることになる写真を、天才カメラマン・篠山紀信と撮りに出かけた先が、まぁ、そこで働いているとか用事があるとか、そこに肉親がいるとか自分が「そこ」の人であるとかでもない限り、あまり進んで出かけようとは思わないような、とある場所の近くだった……、興味深い話がいろいろと出てくる(「日常とは乖離した場に身を置いた時に出る表情をとらえたかった」、というのが、その時の篠山氏の意図だったようだ。なお、同じ時に撮影された写真だが、別カットのものがCD『筒美京平ウルトラ・ベスト・トラックス』(「青いリンゴ」「19:00の街」などシングル曲を中心に、筒美氏作曲のオリジナルでまとめた2枚組)のジャケットにも使用されているので、その表情に浮かんでいる「何か」を、よく感じとっていただきたい…)。
最近はどうもこの人、ちょっと違う意味でおもしろがられているような感もあるが、この本を読めばまた、イメージが変わるかもしれないし、昔から知っている人が読むと「変わんないな、ゴロー…」、などと、感慨にふけるのかもしれない。そんな一冊である。
ケイゾク DVDコンプリートBOX
TV放映中は一部で話題になったものの、それほど注目もされずに視聴率もそこそこのスマッシュヒット的なドラマでしたが、熱狂的なケイゾクマニアを生み出したのも事実でした。例えば韓国映画の「カル」や「シュリ」がたまらなく好きな人は間違いなくはまりますよ。役者がみんな良い味出してますが、特に渡部篤郎はこのドラマで本ブレイクしたと思います。ここ数年は私生活のゴタゴタや演出にも過剰に口を出すこだわりがわざわいし、干されてた感がありましたが徐々に復活の兆しが見えていると思います。その演技は好き嫌いの別れるところですが個人的には松田優作亡き後の名優だと思うので活躍を期待しています。そんな渡部の現時点での最高傑作だと思います。
新橋ミュージックホール スーパーバンド“ぢ・大黒堂”の全て [VHS]
ずっと探していたビデオだったのでこちらで見つけたときには本当に嬉しかったです。始めての購入で少し不安もあったのですが、思ったよりずっと早く届けてもらえ、ビデオの画質も思っていたより綺麗で私としては大満足です。また機会があれば是非利用させてもらいます。有難うございました。
THE HIT MAKER-筒美京平の世界-
「ブルーライト・ヨコハマ」や「また逢う日まで」をいったい何回買えばいいのでしょうか??
今回初めて筒美京平の作品に触れるにはマニアックな曲が多すぎますし、コアなファンには有名曲がじゃまになります。
個人的には3枚目以降のディスクしかいりませんが、また買ってしまうのでしょうね。